活性酸素と抗酸化について
袁 世華先生にご回答いただきました。
Q1:
活性酸素を取ったほうがいいよく言われますが、本当に活性酸素は悪いのでしょうか?
A:
活性酸素は体の中で外からの侵入した悪い病原菌を殺す重要な役目をもっています。
ただ、活性酸素は敵味方がわからないので、健康な細胞や組織も攻撃してしまうことがあります。必要以上に作られた活性酸素が悪者として今話題になっています。
ただ、活性酸素は敵味方がわからないので、健康な細胞や組織も攻撃してしまうことがあります。必要以上に作られた活性酸素が悪者として今話題になっています。
Q2:
活性酸素はどこで作られているのでしょうか?
A:
活性酸素は、生体内では主にミトコンドリアや種々の酵素反応で産生されますが、近年活性酸素の産生源としてミトコンドリア特に注目されています。呼吸で取り込んだ酸素の90%以上はミトコンドリアで使われ、成長や生存のためのエネルギー(ATP)を作ります。この過程で酸素の0.1~2%が活性酸素に変わると考えられています
Q3:
活性酸素はいつ作られてしまうのでしょうか?
A:
酸素を吸っている生き物は、体内で一日中作られます。
急激な運動や、ストレスが加わると一時期に大量に作られます。
急激な運動や、ストレスが加わると一時期に大量に作られます。
Q4:
活性酸素はどのようにしたら取り除けるのですか?
A:
本来、体の中ではSODといわれる酵素が働いて余分な活性酸素を取り除いてくれています。ただ、現代社会では、環境汚染、加工食品、日々増加しているストレスなど様々な理由により活性酸素が過剰に発生するため、体内で作られるSOD酵素だけでは間に合わないというのが現状です。そこで臨床ではよくビタミンC・Eなどの抗酸化力のある栄養素を投与しますが、それでも対応できない場合はさまざまな機能性健康食品やSOD酵素のような天然物質を飲んで活性酸素を取り除くのです。
Q5:
活性酸素はなくすことはできないのですか?
A:
活性酸素が全てなくなってしまったら、体に侵入した病原菌と戦うことができなく、ひどい感染症が起こります。そこで酸素を必要とする生物は生きていることはできません。
Q6:
抗酸化って何ですか?
A:
体の中の過剰に発生した活性酸素を取り除くことです。
Q7:
抗酸化のためにはどうしたらいいのですか?
A:
環境を改善、自然の食物を摂り、ストレスのない生活をすることが一番です。
現代社会では、いずれも不可能に近いかもしれません。抗酸化食品を摂ることで、対処することが必要になります。
現代社会では、いずれも不可能に近いかもしれません。抗酸化食品を摂ることで、対処することが必要になります。
Q8:
よく身体が酸性とかアルカリ性とかいわれますが、これって何でしょうか?
A:
人間の体内環境は酸性・アルカリ性の平衡を保つことが、病気にならない一つの条件です。よく酸性とアルカリ性の度合をPH値で表示していますが、普通は人体の体液のPH値は7.35~7.45で、弱アルカリ性を呈するのです。このときに体液は人体の細胞の機能を保障して良好な状態になり、新陳代謝がたくましさが確保できます。体液のPH値は7.35より低ければ、酸性体質と呼ばれて、酸性体質は万病の源と言われています。
Q9:
身体の酸性と活性酸素は何か関係があるのですか?
A:
基本的に関係はありません。ただ、身体が酸性に向いている方のほうが活性酸素の量も多いといわれています。
Q10:
胃の中は強酸性といわれていますが、抗酸化と胃の酸性はどう違うのでしょうか?
A:
胃酸は、塩酸に近い酸性度がありますが、この酸が食べ物を分解する働きをしています。身体の酸性と抗酸化とは、全く別のしくみです。ただし、胃酸過多の方は胃酸で胃の内部が荒れてしまい、潰瘍ができやすくなります。
Q11:
水素って抗酸化するのですか?
A:
水素は、もっともよい天然抗酸化物質といわれています。水素は最も小さく、速やかに全身に浸透し、細胞膜にも透過できますから、活性酸素と中和して水になり、体外に排除します。
Q12:
水素で還元ということですが、還元って何ですか?
A:
酸素で鉄が錆びることを酸化といいます。物質が酸素と結合する反応、あるいは水素を失う反応が、酸化反応と呼ばれますが、還元反応とは、その逆で物質が酸素を失う、あるいは水素と結合する反応のことです。電子の分野で見た場合は、電子を得る反応が還元反応と呼ばれ、また電子を失う反応は酸化反応と呼ばれます。なので、活性酸素に対して水素を摂り込むことで還元化されることになります。
Q13:
酵素と水素の働きについて教えて下さい。
A:
水素は、出来た活性酸素と、直接結びついて還元化します。
酵素は、活性酸素の発生にあわせて、活性酸素を無害なものへと分解します。
酵素は、活性酸素の発生にあわせて、活性酸素を無害なものへと分解します。
Q14:
活性酸素が細胞や組織を壊すといいますがどう壊すのですか?
A:
活性酸素は細胞核のなかにある遺伝物質DNAと細胞膜の脂質に損傷を与えます。そうすると肌にシミとかが出て、過酸化脂質が多くなり、動脈硬化や狭心症、脳梗塞になったりします。もっと深刻なことは活性酸素がミトコンドリアの設計図であるDNAを攻撃することです。設計図にキズができると、正しい部品を作ることができなくなり、腫瘍のような変異を起こすこともできます。
Q15:
これら壊れた組織を治すことはできるのですか?
A:
治せません。ただし、ミトコンドリアを再生する手段として核m-RNAなどを利用することでミトコンドリアを増やすことができます。さらに、組織でいえば、β―グルカン等で傷んだところが広がらないように(抗腫瘍)することができます。
監修:袁 世華